父はお金に対する意識が低く、兄さんが小さい頃から、親戚・会社の同僚などから借金を繰り返していました。「お金があったら全て遣う」という、まるでお金の管理ができない人だったのです。
今でも忘れはしないのですが、兄さんは小さい頃、自分がお正月に親戚などから貰ったお年玉のお金を、毎年父に預けていました。「失くしたらいかんから、お年玉をお父さんに預けちょかんか?(預けておかないか?)今度返すから」こんな事を言われて、素直に預けていたのです。
そしたら、それを自分がギャンブルなどで使い込み、結局は母が兄さんに返す、という信用を失うようなことを父は繰り返していました。
さすがに中学校くらいになると、お年玉を含めて父にお金を貸すと返してもらいないことが分かり、自分にお金があることを父には隠すようになりました。でもこの時、『自分がお年玉を預けなかったら、またどこかから借金をして、母を泣かすんじゃないだろうか』と、子供ながらに考え、返ってこない事が分かっていながらも、兄さんは父によくお金を預けていました。でも、妹は預けなかったですね。かなりのしっかりものです(笑)。
こんな父の借金の繰り返しによって、兄さんが小学5年生の時に立てる予定だったマイホームの夢は、結局は今も実現できていません。小さい頃は、自分の周りの友達のように、キレイな自分の家が欲しくてたまりませんでしたが、今では、無理をして建てなくて良かったと思っています。大きな住宅ローンが残り苦しめられるか、結局は、今はもういない父の借金を返すために家を手放していたでしょうから…。
兄さんのプロフィールの続きを書きたいと思います。父の借金癖は、兄さんが小さい頃からありました。でも、金額は多くても10万円程度でしたし、家庭に深刻な経済的なダメージがある程ではありませんでした。父は、結婚していても独身時代のような感覚だったんでしょうね。
前回の日記で、兄さんは『今までに県外に家族旅行に行ったことは一度もない』と言いましたが、父だけは会社の社員旅行で海外に行ったことが何度かありました。その時は確か、母が20万〜30万円ほどお金を準備していたと思います。
母や兄さん・妹は、もちろん父が海外旅行に行くことは反対だったのですが、まだ小さかったですし、父を止めることは出来なかったんですよね。社員旅行の度に、父と母がお金のことで喧嘩をしているのを見るのが本当に嫌でした。
そんな父の身勝手さを我慢できなくなった、父という人を本当に信用できなくなったのは、兄さんが高校を卒業する頃だったと思います。具体的には、ちょうど今頃の時期だと思います。
兄さんが外から家に帰ると、父と母が喧嘩をしていました。父と母はお金の事でよく喧嘩をしていたのですが、いつもとは雰囲気が違います。なんというか、母に怒りだけではなく脱力感があったような感じでした。
『子供達の前でお金の話はするな!』と、いつも父は母に言っていました。常に自分に非があるので、これは当然ですよね。自分のだらしのない部分を子供に見せたい親なんていないでしょうから。
でもその時兄さんは、母のいつもとは違う怒り方が気になり、「俺もこれから大学に行くんだし、お金のことは聞く権利がある」と言って、父と母がいる部屋で話を聞かせてもらうことにしました。
金持ち兄さんの自己紹介 5 へ続く…
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