話の内容は、また父が借金をしたという内容でした。父と母がお金の事で揉めている時点で、また父の借金が原因であることは大方想像が付いていたので、これを聞いただけではそんなにビックリしませんでした。
ですが、金額と借りた相手を聞いた時、兄さんはゾッとしました。金額は250万円、さらに、借りた相手はサラ金(消費者金融)だというのです!
今までとは桁違いの金額に驚き、そして、自分の息子(兄さん)がもうすぐ大学に入学するという時期に、消費者金融からお金を借りたという事実に愕然としていました。この時ですね、兄さんが「父は、本当に自分の事しか考えていないんじゃないか。家族のことなどどうでも良いんじゃなか?」と思い始めたのは。
家族を愛していれば、金利が馬鹿高い消費者金融からお金を借りたりしませんよね。その時父は、そのお金を何に使ったのか話しませんでしたが、兄さんがこれまで父を見てきた経験から、借りたお金をギャンブルなどの自分の欲望のために使ったんだと思います。
この頃は、兄さんはお金に関してあまり興味もなく、詳しくもありませんでしたが、『サラ金(消費者金融)=家庭を崩壊させる可能性もある恐ろしい金貸し』というイメージがありました。そのサラ金に手を出した父に対して、兄さんはとてつもない不信感を持ちました。結局その時は、母がそれまで積み立てていた兄さんの学費の半分を父の借金返済に充てました。
その行為自体は仕方かなったと思いますが、母が兄さんの学費を父の借金返済に充てることを、あらかじめ兄さんに言わなかった事が、兄さんが母に対しても不信感を持ち始める原因となりました。「俺の学費を、なんで何も言わずに父の借金のために使ったんだろう…」と思いました。
父は強気な人で、この時、『お前達されよければ、俺はいつでも出て行くぞ(離婚するぞ)!ただ、父親がいない家庭というものがどんなに辛いものか、お前達は分かっているんだろうな!結婚にも支障が出るし、大学なんて、とてもじゃないけど行けないぞ』と言っていました。
まだ高校生だった兄さんは、母子家庭に対して良いイメージを持っていませんでした。もちろん、母子家庭で育った人がどうのこうのではなくて、「片親だから…」とかいう偏見を持つ方がいるというイメージや、経済的にとても厳しいというイメージです。ですから、この時はまだ父がいなくなるのが怖くて、父と母の離婚を強く勧めることはできませんでした。
それから一年くらい経ったときでしょうか、また父が借金をしました。金額は確か200万円くらいだったと思います。もちろんこの時に借りた相手もサラ金
(消費者金融)でした。父は前回の借金の時に、『今回のことはお父さんが悪かったけど、お前が大学を卒業するまでは、お父さんが精一杯頑張る』という言葉を兄さんに言っていました。
その言葉を信じていた兄さんは、この時の父の借金は本当にショックでしたね。父がやったことの重大さに気付いておらず、父が嘘つきである・信じてはいけない存在であることをハッキリと証明する事になったのですから。
さすがにこの時は、かなり父を責めました。自分の力で大学を卒業できるか不安でしたが、父と母に離婚を迫りました。妹も兄さんと同じ考えでしたが、でもやはり、妹はまだ父がいなくなった時の社会的なダメージ、経済的なダメージを気にしている様子でした。
金持ち兄さんの自己紹介 6 へ続く…
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